院長コラム

3. 生きづらさの背景には、何があるのでしょうか?(院長 井出広幸)

1.発達障害とは何でしょうか?

2.発達障害は「障害」なのでしょうか?

3.生きづらさの背景には、何があるのでしょうか?

生きづらさとは、他人と上手くやれない、自分が何だかよくわからない、何をしても上手くいかない、虚しい、といった自分の価値や存在意義を感じられず孤独感に苛まれる状態をいいます。

発達特性のある方が「生きづらい」と感じるとき、その原因をすべて発達特性に求めるのは、実際の臨床像とかけ離れていることが多いと私は感じています。

長年の診療を通じて感じるのは、生きづらさの背景として最も大きな影響を持つのが、幼いころに「十分に愛された」と感じられなかった体験——愛着の傷である可能性が高いということです。

人は愛を必要とする生きものです。愛が十分に与えられなかったとき、心は自分を守るために変形します。「世界は安全ではない」と刻みこみ、自己認識を歪め、独自のパターンで現実に適応しようとする。この心の傷の影響が、成長してからも人間関係や自己評価に深く関わっていることがあります。

さらに言えば、生まれつきの発達特性がなくても、愛着の傷の影響でADHDやASDに見える状態になることもあります。逆に、生まれつきの特性を持っていても、心の傷の影響でその特性がさらに歪んでいくこともある。実際の外来では「発達障害と言われたけれど、過去の経験のほうが今の自分に影響している気がする」とおっしゃる方がとても多いです。

発達特性と心の傷は、それぞれ単独で、またときに重なり合いながら、その方の「今」をつくっています。

4.診断はどのようにおこなわれるのでしょうか?

5.発達特性があるとわかったら、どう向き合えばいいでしょうか?

6.どんな方向を目指すといいのでしょうか?

大船心療内科