メンタルヘルス&リワーク

  • 大船駅徒歩4分
  • 保険診療
  • 完全予約制
大船駅徒歩4分
0467-40-4765

診察:月・木・金 9:00~12:30 13:30~16:30
水・土 9:00~13:00 デイケア:月~木

院長コラム

発達障害について

1.はじめに

2.総論 〜発達障害ってなに?〜

3.検査・診断編

4.治療・対策編

【発達障害と診断されたらどうすればいいの?】

本来は、非定型発達(=現代でいう発達障害)は天からのギフトです。それが障害になってしまったのは、生まれてから受けた心の傷の影響であることは上に述べた通りです。

ギフトは治す対象ではありません。
しかし心の傷は治療すると、よくなります。

まずは、治すべきものと、理解し受容し育むものとを区別しましょう。
つまり御自分の生き辛さを表す全体像を把握するのです。

ご両親は、それぞれのご両親から愛されていたでしょうか?
あなた自身が、ご両親から愛される体験はいかがでしたか?
いじめ、ショックな出来事、あの時以来自分は変わってしまった経験、はどれほどありますか?

これらの心の傷問題は、取り組めばよくなります。
変えようとしても変わらないものを変えようとせず、変えれば変わるものに取り組みましょう。
ということは、どんな発達障害であっても、下記に取り組むことが必須であることは共通します。

【どんなタイプの発達障害であっても、まずはやった方が良いこと】

あなたが発達特性の偏りをもつ方だとして、下記の順に実践してゆくと、確実に良い方向に向かいます。
必須項目なしで基礎訓練をしても無効です。また基礎訓練なしで、その先にいこうとしてもすぐ壁に当たります。

〈全ての取り組みの基礎になる必須項目〉

・愛着障害/複雑性PTSD/発達トラウマ のチェック
・これまでの人生でうけた心の傷とその影響チェック
・将来自分はどんな生き方をしたいのか、人とどんな関係をつくる人になりたいのか、を言葉にする
・誰のために、何のために生き辛さをよくしたいのか、をよく考える
・自分の生き辛さを改善するために、時間とエネルギーとお金を投じる決意をする
・安全基地を確保する:等身大のあなたを受け入れてくれる場所/関係性 家族・友人・グループ・医療等

〈必須項目をクリアした上で取り組む基礎訓練〉

朝起きて夜寝る:良質かつ十分な睡眠/一定のリズム/ものごとを習慣化する
運動 (特にADHDの人は極度に重要):サーフィン/ヨガ/ストレッチ/筋トレ/走り込み/格闘技 その他全て
糖質制限:高蛋白/低糖質/十分脂肪
瞑想:あらゆる種類のものを試みて自分にあったもの
自律訓練法:毎日実践
マインドフルネス:書籍/プログラム/セミナー/デイケアでしっかり学ぶ
ジャーナリング:自分の心の動きを書き記す

〈自分の特性をよく知る〉

ADHDと診断されたら、ADHDに関する情報を集めましょう。ADHDとラベリングされた人は1人として同じ人はいません。実際に調べるほどに、あなたと共通する部分と、共通しない部分が見えてくるはずです。
それでも自分がどんな特性をもっているのかを客観視することで、自分を受け入れやすくなります。
そうか、自分はこういう脳のつくりと働きによって、こういう特性があるから、こうなんだな、と理解して受け入れることは、現実に向き合う最初の一歩になります。

ASDと診断された男性は、その妻がどんな気持ちになるのか、カサンドラ症候群について書かれた書籍を読み進めるうちに理解が進むでしょう。
APDと診断されたとき、APDに関する情報を知れば、自分がどんな状況が苦手なのか、改めて理解して対策がとれます。

色々な情報に示された対策は、自分にフィットするものもあれば、ピンとこないものもあるでしょう。
やってみて合うか合わないかを判断するのが良いです。

〈学ぶべき心理療法〉

ここまで進めてきた段階で、生き辛さを乗り越えてゆく技術を学んでいくことになります。
ここまでの取り組みは、バスケットボールの習得に例えると、ゲームの間走り続ける体力を養い、ドリブルとパスを学んだ状態です。ここからは、シュートの方法やゲームを通じてどう動くのかを学ぶことに相当します。

生き辛さを乗り越える技術として、様々な心理療法が開発されてきました。
ある人には絵画療法がぴったりであり、ある人には演劇療法がハマることがあります。
自分に合った、しっくりくる理論をしっかり学びます。
どれか一つで全てが解決することは、ありません。
本人にあった療法をバランスよく組み合わせたときに、大きな行動変容がおきます。
心理療法のリストは全部で100近くありますが、そのなかでも当院は下記を中心としています。

ACT:当院ではマインドフルネスを基礎にした心理療法を基幹としています
IFS:内的家族システム療法は、自分の内側がどうなっているのかを知る上で欠かせません
AEDP:感情体験を通じて心の傷を癒してゆく手法です。専門性が高いため書籍等は難しいものが多いです
ポリヴェーガル理論:自分の身体におきる反応を理解する上で重要です

〈実践と行動が重要〉

心の苦しさ、生き辛さを抱えて受診された人が自分の内側と向き合いながら、最終的には現実と向き合い行動してゆくことになります。バスケットボールでいえば、いよいよ試合をするときです。

現実とは、選択の結果であり、行動の結果であり、それはすなわち他者との関わりであり、他者の心が存在し、他者の心と関係をもっている、ということです。現実を認め、現実を視野にいれて、他者からみてどうなのかを意識しながら、他者のために動くときに人は最も自分らしくなります。
自分と向き合い、気づきと学びを経て、現実世界で行動し、それを通じて自分を知り気づきと学びを深めていきます。

〈最終的に目指す方向性とは〉

どんな生き方をしたいのか?は人により様々です。
しかし誰にも共通する目的として、当院では下記を掲げています。

・ 健全な自己肯定感を育んでいる
・ 心理的柔軟性を確立している
・ インナーチャイルド(内なる子供)が癒されている
・ 周囲の人との関係性において心が満たされている
・ 大切な人と、体験や気持ちや感情を共有できている感覚がある

上記を達成しているとき、人は孤独ではなく、自己を確立した上で満たされた人生を生きているはずです。
それを目指して、コンディションを整え、問題を解決しながら進む御本人を応援するのが大船心療内科です。

totop