買い物依存症とは、買い物に対しての執着心が強くなってしまうことです。
買い物が頭の中の中心となってしまうだけではなく、何かあった際に買い物に走ってしまう症状です。
例えば、ストレスを感じた時に買い物で発散したり、疲れている時に買い物で気分転換をするなど、本来「必要なものを購入する」行為のはずの買い物が、気持ちの拠り所になってしまう症状を指します。
買い物依存症の問題点として、患者自身が抱えている経済力を越えた買い物に走ってしまうケースがある点です。
具体的には借金です。
物が欲しいのではなく、「買い物」という行為に依存してしまっていますので、例えば、クレジットカードで買い物をしすぎたり、借金をしてしてまで買い物をしたりなど、経済力の上限を超えた買い物を繰り返すことで、経済的な負担を強いられることになります。
買い物依存症の原因は、心因的な点に尽きます。
買い物経験への興味ではなく、大きなミスをして怒られたり、
誰にも相談できないことを抱えたりなど、
精神的に負担を感じている時のはけ口として買い物に走ります。
ストレスや疲労、思い通りにいかない憤り、人間関係等、
基本的には心因的なものですが、他にも、お金を使うことにどこか快感を得るケースもあります。
物が欲しいのではなく、お金を使うという行為に快感を得るタイプです。
この場合、金銭的に抑圧されていたり、
あるいは幼い頃好きな物を購入できなかった思いがあるなど、様々な理由が考えられます。
しばし衝動買いと混同されるケースがあるのですが、
衝動買いはあくまでも突発的な衝動に駆られてのもので、
ストレスを感じている訳ではありません。
しかし買い物依存症は突発的な点もあるのですが、
あくまでも気持ちの面で何かを抱えていることで、
そのはけ口として買い物という行為に走っていますので、
同じ「急に買い物をする」という行為は同じではあっても、
意味合いは大きく異なります。
勘定のはけ口が買い物になってしまうタイプの買い物依存症と、
お金を使いたいだけの買い物依存症の二種類に分類できます。
前者の場合、精神的な捌け口として買い物に走ります。
依存症は他にも多々ありますが、前者は他の依存症同様、
気持ちのはけ口として買い物をしてしまうものです。
そして買い物を繰り返していくうちに、
ストレス等を抱えている訳ではなくとも、
買い物をしなければならない強迫観念に駆られてしまうのです。
当初のとっかかりとしては精神的負担のはけ口だったものの、
次第に買い物に対して義務感・強制感を覚えるようになり、
特に必要ないものの、買い物しなければならないという思いが、
患者を買い物に走らせてしまうのです。
お金を使いたいだけの場合も基本的な流れは同じです。
はじめは、「給料日だから」、「頑張った自分にご褒美」
といった軽い気持ちでの買い物が、
次第にお金を使うことに快感を覚えてしまいます。
次第に買い物が必要なものを買うための行為ではなく、
お金を使うための行為へと変容し、先と同様、
買い物への依存度が強くなってしまうのです。
入口こそ異なりますが、症状としてはいずれも同じだと考えてよいでしょう。
問診によって診断しますが、
そもそも買い物依存症は他の症状が隠されているケースが多いです。
例えば、うつ病や自律神経失調症の副次的な症状として
買い物依存症を併発しているケースも見受けられます。
そのため、他に疑われる症状の検査と合わせて実施します。
買い物依存症だとは自覚していたものの、実はうつ病だった、
あるいは不眠症だったりなど、他の症状によって
買い物依存症を発症しているケースもあります。
基本的にはカウンセリングによって心理的に
アプローチしながらの治療となりますが、
先にもお伝えしたように他の症状が併発している場合、
そちらの治療も実践します。
他の症状の治療を実践することで買い物依存症が軽減・
回復するケースもあります。
他の症状がみられない場合には、
心因的な原因を排除するための治療になります。
買い物依存症は心因的なものです。
そのため、ストレス等を起こさないよう日常生活を見直すことも大切です。
例えば、事故の免疫力を著しく低下させる睡眠不足は見直しの対象ですし、
毎日的とに体を動かしたり、あるいは友人との時間を作るなどして
ネガティブな気持ちを発散させることも大切です。
また、経済的に大きな負担を負ってしまった場合、家計の見直しも重要です。
金銭的に困っているプレッシャーもまた、ストレスの原因です。
お金に困ってストレスを覚えているにも関わらず、
そのはけ口として買い物に走ってしまうのも買い物依存症の特徴です。
家計の見直しを行い、経済的な余裕・安定をもたらすことで、
ストレスが緩和され、買い物依存症からの脱却が可能です。
ただし、余裕があることで心置きなく買い物に走ってしまう
タイプの買い物依存症患者もいますので、
医師と相談するなどして、適切な生活を送ることが重要です。