認知症とは、認知する機能が低下することで、日常生活の様々な場面に於いて支障をきたす症状で、 アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症等が確認されています。 かつては年齢と共に脳機能が低下することで認知症になりやすいとされていたのですが、 近年は若年性認知症と呼ばれる、若年層の認知症患者も確認されています。 しかし、割合としてはやはり年齢と共に増加する傾向にあり、厚生労働省の発表によると、平均発症年齢は51歳とのことです。
脳の神経細胞が破壊されることで減少したり、
あるいは壊死することで脳の機能が低下することで認知症が発症すると考えられているのですが
なぜ脳の神経細胞が破壊されるのか、その原因は認知症の種類によって異なります。
加齢によって増えやすくなるアミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積されることで、
脳細胞に影響を及ぼし、認知症になります。
アミロイドβそのものは、健康な人の脳にも存在しているものなのですが、
アミロイドβ同士が結合して異常なアミロイドβができてしまったり、
排出されるはずのアミロイドβが蓄積されることで、
脳神経にからみつき、機能を低下させます。
また、神経原線維変化によってアルツハイマー型認知症となるとの説もあります。
タウタンパク質が神経細胞の働きを悪くさせるとされていますが、
アミロイドβにせよ神経原線維変化にせよ、それらの働きが脳神経細胞を破壊し、
正常に働かなくなることで認知症になると考えられています。
認知症は加齢と共に増加するアミロイドβの影響から、
年齢を重ねると共に認知症リスクが高まるとされているのですが、
30代から50代など比較的若い患者に発症する場合、遺伝が関連しているとされています。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった、
脳の血管に何らかの影響を及ぼす症状の影響で認知症になると考えられていますが、
それらの症状が高血圧や糖尿病といった生活習慣病によって発症するリスクが高まります。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった、
脳の血管に何らかの影響を及ぼす症状の影響で認知症になると考えられていますが、
それらの症状が高血圧や糖尿病といった生活習慣病によって発症するリスクが高まります。
加齢によって脳内にレビー小体と呼ばれるタンパク質が生まれますが、
このレビー小体が増えることで脳内の神経細胞が減少してしまいます。
結果、記憶に関する側頭葉、情報処理のための機能をつかさどる後頭葉が委縮することで、
認知症になると考えられています。
認知症には様々な種類がありますが、いずれも忘れっぽくなる点が特徴です。
それまで覚えていたことを忘れてしまいますので、
家族の名前・存在を忘れてしまうこともありますし、
自分の状況が分からなくなることもあります。
これらは記憶障害や見当識障害、判断能力の低下に分類されるのですが、
いずれも症状には程度の差がみられ、軽い物忘れから、
まったく思い出せない状態まで様々です。
また、認知症に環境の変化等が加味するケースもみられます。
認知症の患者が引っ越しなどによって環境が変化することで徘徊、
幻覚、暴言、不眠、うつ病等が表れるケースもあります。
症状に関してのヒアリングに加え、
MMSE検査や長谷川式簡易知能評価スケール等の検査を行い、
総合的に判断します。
また、検査だけではなく、血液検査やMRI、CT、
SPECTによって脳の中を検査し、異常がないかを確認することもあります。
認知症は完治が難しいのですが、
アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症に関しては進行を遅らせたり、
軽減したりは可能です。
基本的にドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、
メマンチンの4種類による投薬治療となるのですが、
認知症の患者は飲み忘れをすることも多いので、
周囲の人間が投薬をサポートすることが求められます。
また、脳神経を活性化させることも認知症の治療の一種です。
書き取り、計算、音読など、五感を刺激することで脳神経の活性化を期待する治療法ですが、
認知症の患者がリハビリに対して抵抗する場合、無理強いは厳禁です。
なぜなら、嫌がっているということは、ストレスを生じていることになりますので、
ストレスによって認知症が悪化してしまう可能性があるためです。
そのため、患者様自身が負担やストレスを感じない方法でのリハビリが求められます。
若年性認知症に関しては適切な食生活や運動を取り入れるなど、
生活習慣を見直し、脳に負担を与えない生活を心掛けることで予防が可能です。
また、脳を使うことも予防になりますので、
楽しみながらゲームや趣味などに没頭することも認知症予防に寄与します。
治療後に関しては、認知症患者は忘れてしまうことから、
同じことを何度も繰り返してしまうことがあります。
このような時、周囲の人間は怒ったりするのではなく、
優しく説得したり、微笑みながら声をかける等、
認知症患者に恐怖感を与えない態度を取ることが大切です。